下位チーム同士の対戦で、ミスが少なければ勝てるかも、という期待はあった。
期待に応えるかのように山田が先制トライを決め「お!?」とさらに期待が膨らんだのもつかの間、見事なインターセプトをくらって同点トライ献上、コンバージョンもしっかり決められ、その後はフォースがゲームを完全に支配し、前半20分で4トライを奪われて引き離された。
後半ラスト20分でようやく自分たちのラグビーで追い上げ始めたが反撃され、力及ばず負けた。
しかもだ、立川と日和佐というジャパン組のインターセプト2発がなかったら、ラスト5分で22-26だった。後半スコッドの勢いなら山田のラスト1トライが劇的な逆転トライになっていた。オーストラリア・チームを相手に大金星をあげられた。
もったいないことをしたもんだ。
ハメットHCが同じようなことをコメントしていた、前半はエネルギーがなかったと。
RWC2015で準優勝したワラビーズの国のチームを相手に、寄せ集めの急増チームでしかもたった2~3ヶ月の準備と実戦経験しかないチームが勝てるわけない?
いやいや、勝てた試合だった。
試合運びは地味だったし、苦手とするラインアウトは依然として苦手のままだが、初戦のライオンズ戦からここまでよく育ったもんだ。
80分間、十分たたかえるようになったし、後半に追い上げができる。
この点は「あっぱれ!」に値するぞ。
そうは言っても「たら・れば」は空想の世界、現実に戻ろう。
張本の「あっぱれ!」は、当分お預けだ。
残りの6戦は、南ア3戦、オーストラリア3戦だ。南ア組とオーストラリア組の下位チームのキングスとフォースに負けたとあっては、あと1勝の見込みはゼロに近い。
どうせ負けるなら来季につながる負け方、手応えのある負け方をしてほしいが、来年の選手契約のこととか何かプランはあるんだろうか? リーチが来季もチーフスと契約したようだが、田中、畠山、山下、マフィ、松島、五郎丸、ツイ、サウら海外へ出た選手を引き戻すことはできるのか?
ハメットHCは就任にあたって「今年は礎を作る」とコメントしたが、 選手の育成、チームの育成、運営の育成、この3つが揃ってこそ「礎」だ。7月に今シーズンが終了し、10月からトップリーグが始まるとして、チームの再集合は来年の2月だろうか?
ヘッドコーチも契約満了になるが、今季はニュージーランド・チームとの対戦がない、来季だ。そうすると2年間やり遂げて初めて一通り経験することになるから、サンウルブスはスーパーラグビーXVのチームとして来季以降も期間限定で招集されることになりそうだ。文字通りにタスク・フォースを引き受けることになる。
ただしスコッドの実像は、トップリーグからの出向選手+外国人の契約選手だ。高校~大学~企業が支える日本ラグビーの構造からしてそれがベスト・エフォートなのだろう。独立したクラブ(ほんとうの意味でのプロ化)まではまだまだ遠そうだし、4年に一度の代表チームと連携をどう取るかということも課題だ。ジョセフ代表HCの就任は8月以降だ。
とまれ1勝8敗の実績を残す中で、RWC2019を挟んだ5年~10年の中長期の目標が蜃気楼のように見え始めた。
一つは、
オーバー・ザ・トップリーグ、トップリーグを超えろ!
もう一つは、
スーパーラグビー・トップ10入りをめざせ!
頑張るしかないぞ、サンウルブス!
ドラマを語るにはまだ早すぎる。
今度のオーストラリア遠征、運営は、白ご飯と味噌汁の手配を忘れないように。
トップリーグは8月26日~2017年1月14日。
プレーオフは廃止して総当り戦、スーパーラグビーXVへの登竜門になって、とてもイイね♪
リーグの水準が低すぎるからプレーオフで1位だ2位だと表彰する意味がない。「最高峰」のレベルが違いすぎて、ティア1チームと当たれば勝負にならないのがわかっているし、勝ち上がった関係者の打ち上げイベントで終わる。
国内リーグは選手の水準を上げる修業の場、スーパーラブビーXVへの登竜門と位置づけて上を目指すモチベーションを育てる方が現実的だ。そうすれば自ずと代表メンバーが育つ。
日本選手権も「社会人」「学生」と線引きするのをやめて、混成チームによる年に一度の東西戦に。それこそ日本ラグビーの打ち上げになるしお祭りとして日本中で楽しめる。
これにグラスルーツのチームが参戦できるようになると、もっとイイね♪
カナダ戦、スコットランド戦のスコッド候補43人